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八戸市で相続した不動産売却時の注意点は?手続きや税金対策もわかりやすく解説

相続

佐々木 圭太

筆者 佐々木 圭太

不動産キャリア10年

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八戸市でご家族から不動産を相続された方の中には、「売却したいけれど、何から始めるべきか分からない」とお悩みの方が少なくありません。

相続不動産の売却には、登記や名義変更、税金の優遇措置、さらには売却しやすい物件条件や行政のサポートなど、事前に知っておきたい重要なポイントが数多く存在します。

本記事では、相続登記義務化の概要から税金面の特例、地元ならではの事情、相談先の活用法まで、分かりやすく解説します。

悩みを解消し、安心して一歩を踏み出すための参考になれば幸いです。


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相続登記の義務化と名義変更の重要性

令和6年(2024年)4月1日より、不動産を相続した相続人は、「取得を知ってから3年以内」に相続登記を申請することが法務局への義務となりました。

また、義務であるにもかかわらず正当な理由なく手続きを怠ると、10万円以下の過料が科される可能性があります 。

この義務化は、相続登記が放置されることで「所有者不明土地」が増え、公共事業の支障や地域の環境悪化につながるという社会的な課題に対応するためです 。

相続登記を行わないと、売却時に所有権を確定できず、不動産の取引ができないという大きなデメリットがあります 。

また、相続人が増えたり、共有名義になることで、遺産分割協議が難航し、話し合いに時間や費用が余計にかかる可能性があります 。

以下は、相続登記を行わない際のリスクをわかりやすくまとめた表です。

項目具体的な影響結果としての問題点
名義未変更登記名義が被相続人のまま売却できない・権利主張ができない
共有名義化相続人が複数に増加分割協議が複雑・まとまりにくい
手続き遅延期限を過ぎての登記過料の可能性・費用が増加

以上のことから、相続した不動産をスムーズに活用・売却したい場合は、早期に相続登記を済ませて、名義を確実に変更することが重要です。

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税金面の優遇措置と控除の適用タイミング

相続した不動産の売却において、適切な手続きを踏めば大きな税制優遇を受けられます。

代表的な制度には「取得費加算の特例」と「空き家の譲渡所得に対する三千万円特別控除(以下、空き家特例)」があります。

まず、「取得費加算の特例」とは、被相続人が取得した時の取得費に相続時の価額に応じた額を加算できる制度です。

具体的には、相続開始前の一年以内に取得された財産を売却する場合や、相続した財産を売却する場合などに適用され、譲渡所得の計算上、有利になります。

この特例を活用するには、確定申告時に「取得費に加算できる金額」を正しく計算して申告する必要があります。

次に、「空き家特例」は、被相続人が居住していた家屋および敷地を相続した方が、一定の要件を満たして譲渡した場合、その譲渡所得から最大三千万円を控除できる特例です。

令和6年1月1日以降の譲渡で相続人が三人以上の場合には、控除額が二千万円に減額される点に注意が必要です。

対象となる家屋は昭和56年5月31日以前に建築されたものに限られており、居住用に供されていたことや、相続から譲渡まで事業・貸付・居住に使われていないことなど、複数の条件が定められています。

また、譲渡後に翌年2月15日までに耐震改修や取り壊しを行った物件も特例の対象に含まれるよう、令和五年度の税制改正で制度が拡充されています。

確定申告を行う際、「被相続人居住用家屋等確認書」の添付が必要です。

これは市区町村で発行を受け、市町村長が確認した内容を証明する書類で、譲渡所得の特例を受けるためには欠かせません(交付には概ね一週間から十日程度かかります)。

以下の表は、制度ごとにポイントをまとめたものです。

制度名 主な内容 必要な申告・書類
取得費加算の特例 相続時の価額分を取得費に加えて譲渡所得を圧縮 確定申告にて取得費を適切に計算して申告
三千万円特別控除(空き家特例) 一定要件を満たせば譲渡所得から最大三千万円控除(三人以上相続や令和六年以降譲渡は二千万円) 確定申告+市町村発行の「被相続人居住用家屋等確認書」

これらの税制優遇を受けるには、確定申告で正確に制度を理解し、必要書類を漏れなく揃えることが重要です。

とくに「確認書」は、制度適用の可否を確約するものではないため、税務署との連携や早めの準備が肝要です。


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売却しやすい不動産の条件と地元の事情

八戸市で相続した空き家を売却しやすくするためには、まず「道路付け」「駐車スペース」「築年数」といった基本的な条件が重要です。

道路の幅が確保されていることは、車の出入りがしやすく、将来の買主にとって大きな安心材料になります。

また、敷地内に駐車場がある物件は、日常利用の利便性が高く評価されやすい傾向にあります。

築年数については、築二十年から三十年程度の建物は、リフォームの選択肢が広がるため買い手にとって魅力が高いようです。

実際、八戸市における中古一戸建ての相場では、築年数が浅いほど価格が高く、築二十年で推定相場は約一千三百万円、築三十年で約一千百万円となっています。

これは築年数が浅ければ建物の状態が良好で、リフォーム費用を抑えられる点が重視されるためです。

一方で、築五十年以上の古い物件は、建物としての評価が下がり、買い手が建物の維持に不安を感じやすくなります。

こうした場合、解体して更地として利用するほうが現実的な選択とされるケースが増えてきます。

空き家を更地として売却する際には、自治体の補助制度なども検討するとよいでしょう。

項目条件売れやすさの理由
道路幅広く、車の進入が容易進入・荷下ろしがしやすく、購入意欲を高める
駐車場敷地内に確保日常の生活利便性が高く評価されやすい
築年数20〜30年程度リフォームの選択肢が広く、購入負担が軽減される

行政の支援制度と相談先の活用法

八戸市では、相続で取得した空き家の売却・活用を検討されている方を支援する体制が整っています。

まず「はちのへ空き家ずかん」は、所有者と利活用希望者とのマッチングだけでなく、移住・定住・起業支援や各種補助金情報など、多面的に空き家の活用を後押しする情報を提供しており、利便性が高いです。 

また、空き家の登録によって多くの人に物件を知ってもらえる機会も得られます。

さらに、「はちのへ空き家解消ネットワーク」という相談体制も整備されています。

これは、不動産・法務・建築・空き家管理・金融の五分野にまたがる専門団体と八戸市が連携し、ワンストップで相談・支援を提供する仕組みです。

相談料は原則無料で、専門家による的確なアドバイスを受けられる点が大きな特長です。

相談をスムーズに進めるには、以下のようなステップが効果的です。

ステップ内容準備するもの
① 登録・相談申請 八戸市の窓口に申請書類を提出し、ネットワーク登録を行う 登記事項証明書・固定資産税通知書・現況写真など
② 専門家の紹介 ネットワークを通じて最適な専門家が紹介される 希望条件や物件概要の整理
③ 手続き・申請の進行 税務署への確定申告や「被相続人居住用家屋等確認書」の取得、申請書作成などをサポート 申告書類・確認書等の収集と整理

このように、行政の仕組みを上手に活用することによって、相続した不動産を適切に売却につなげる準備が整います。

自社では、このような制度に基づく売却相談や手続きのご支援にも対応しておりますので、ぜひお気軽にお声がけください。

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まとめ

八戸市で相続した不動産を売却する際は、相続登記の義務化や名義変更の重要性を理解し、スムーズな手続きを心がけることが肝心です。

また、税制優遇や特例の活用には条件や期限があるため、確定申告や必要書類の準備を忘れずに進めましょう。

売却しやすい物件の特徴や、行政の支援制度も積極的に利用することで、トラブルを防ぎながら円滑な売却が期待できます。不安や疑問は専門機関へ相談し、安心して手続きを進めることが大切です。


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